2007年9月4日火曜日

(墓39)田毎の月(たごとのつき)

しんぽう週末コラム

色々な宗教や団体が世界をより良く変えようと様々な努力を続けている。
で、どれが「正しい」といえるだろうか? どれもが正しいように見える。懐疑的に観ればどれもが嘘や方便を使っている気もする。だいたい、なぜ、こんなにたくさん宗教が存在するのだろうか? どれもが真理ではないから? と意地悪く思うこともできる。
時に、「カミ」の存在を感じ、感謝したくなる。でも、もしその時に「あなたの言うカミは、私たちの神だ」といわれたら、おそらくその人々のことばに対して、嫌悪するだろう。
カミは真理かも知れないが人間が理解できる存在ではない。
ましてや特定の人々の病気を治したり、奇跡を与えるなど神の知るところであろうか。そんな贔屓をする神は、私のカミではない。そんな神はなんとも不公平で偏狭だ。そういう神も、在るのか? それも分からないことだ。
◎…◎…◎
ところで、月はひとつしかないということは常識であるが、「たった一つには見えない」ことも事実である。
夜、水田のちかくを歩いたことがある人は、知っている。
お月さまはひとつだが、そこに水田がたくさんあると、田んぼの数だけお月さまが出現する。それぞれの田にお月さまが写るからだ。これを田毎の月、という。
田毎の月は複数だが、きっと同じ月を映し出す。
真理も同じか。たったひとつの真理でも、映し出されるもの(媒体)の数だけ、姿を現わすのだろうか。
田んぼの数だけ存在する無数の月のなかから本当の月を探し出そうとしても、答えはない。
……それでは皆さん、よい週末を。(O)
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